STORY

真実を伝えるためなら、時に危険を顧みず、時に手段を選ばない。そんな信条を持つフリージャーナリストのライト。

ある事件を追って“獣人”の国――コロナ合衆国を訪れる。情報収集のため、国の警察機関「公安捜査局」の捜査官たちに近づくが相手は一筋縄ではいかない手ごわい獣人ばかりで……。

「望むところだ。記事書くためなら何だってやってやるよ」

人間と獣人――異色のコンビが重大犯罪に挑むクライム・サスペンス。

信じられるのは人間か、獣人か?事件の裏側に隠された真実とは?そして、そのすべてを知った時、ライト自身の運命は……?

ルー・ガルー事件

墨海の国境付近で、惨殺された人間の死体が立て続けに発見された。
殺害方法、死体に残された傷痕などから、獣人の犯行である可能性が高いと考えられており、コロナと墨海、両国の警察機関は互いに警戒しつつ共同捜査を行っている。

コロナ合衆国

人間の国「墨海」と隣接する獣人の国。7つの州から成る連邦国家で、世界第一位の経済大国である。
人口の約8割が獣人だが、人間も暮らしている。公用語は法律上定まっていないが、主に英語が使われている。

パンズヴィル

コロナ合衆国最大の都市。商業・金融・不動産・メディア・芸術などビジネスの中心地となっている。
パインストリート、バンブータウン、プラムス、3つの区から成り、ランドマークにパンズタワーがある。

パインストリート

ビジネス街が広がる、パンズヴィルの中心地。
高層ビルが立ち並ぶが、大小さまざまな公園があって自然も豊か。公安捜査局パンズヴィル支局もここにある。

バンブータウン

パンズヴィル西部にある行政区画。
パンズヴィルで最も広大な面積を有し、中産階級の暮らす住宅地が広がっている。国境ゲートがあり、人間の居住区も存在する(第3地区)。

プラムス

パンズヴィル北部にある行政区画。
路上生活者や薬物中毒者が多く、犯罪が多発している危険な地域。犯罪組織「エリス」によって牛耳られていて、一般市民はめったに寄りつかない。

公安捜査局

コロナ合衆国司法省に属する警察機関。地方の自治体警察では手に余るような事件の捜査を担当している。
州ごとに支局が置かれ、本部は首都であるミノタポリスにある。

SIU

公安捜査局内にある部署のひとつ。
Special Investigation Unit(特別捜査班)の略で、特に重要度の高い事件を取り扱う。いわゆるエリート部隊。

墨海

人間たちが暮らす国。
「コロナ合衆国」と隣接しているが、まったく異なる文化を持つ。
経済的にはコロナと並ぶほど発展しており、公用語は墨海語だが、ほとんどの国民が英語を話すことができる。

体質

ライトには、物心ついた時から毎日欠かさず飲み続けている薬がある。
漢方薬をカプセルに詰めたもので、飲み忘れると微熱が出て、薬を飲むまでその状態が続く。生まれつきの持病だと聞かされており、弟の瑠璃も同じような薬を飲んでいる。